日本にもいる結合双生児。原因や手術・生き方の選択を考える



10月3日の「ザ!世界仰天ニュース」で、日本の結合双生児(体を共有する双子)について特集しました。

2016年にも、アメリカの姉妹について扱った同番組。

バラエティ系でも思い切った内容を扱うこともあるんだな、と思ったのですが(偏見?)

知らないとか、目を背けるとかの方が悪いこともありますよね。

そこで、今回は結合双生児について、原因や生き方(手術するかしないか、生活など)について調べてみました。
 

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結合双生児とは

体の一部が結合している双生児(一卵性双生児の場合がほとんど)のこと。
5万〜20万出生あたり1組程度の割合で生まれると言われているが、正確・確実な統計はない。
また、人種によって生まれる割合は違い、白色人種より黒色人種が多く、黄色人種は少ないとの説も。
(wikipedia 他より)

結合双生児の原因は?①

一卵性双生児は、通常受精後10日以内に受精卵が2つに分裂します。

が、まれに13日目以降に分裂することがあり、この場合、受精卵の一部がくっついたまま成長するそうです。

くっついた部分がどこかによって、体のどこが結合しているかが変わり、また、結合の場所や仕方によって、臓器などが2つあるかどうかが変わるそうです。

 

受精卵の分裂がうまくいかない原因は、調べてもはっきりとは分かりませんでした。

まだ完全に解明されていないのではないかと思いますが、遺伝子の発現異常や枯葉剤・放射線による影響が指摘されています。

1986年に来日したベトナムのベトちゃんとドクちゃんを覚えている方も多いのではないでしょうか?

 

有名な結合双生児

有名な結合双生児の方たちです。

1811年に現在のタイで生まれました。
胸部と腹部の中間で結合していて、肝臓を共有していました。
当時の医療技術では分離手術は難しく、生涯結合したまま過ごしたそうです。

商人として働いていましたが、18歳の時、2人を見世物にしようと声をかけたアメリカ人とともにニューヨークへ。
が、現地のマネージャーに騙されていることを知り、契約を解除して自ら営業を始めます。
2人は上流階級の客が訪れるよう演芸理念を決め、またマスコミや一般市民は2人に同情的だったため、偏見を受けることはあまりなかったとのことです。

1839年に巡業を中止し、アメリカ市民権を取得。
地元の姉妹と結婚し、チャン氏は10人、エン氏は11人の子をもうけたそうです。
1874年、同じ日に死去。


1908年にイギリスで生まれました。
腰からお尻にかけて結合していて、骨盤を共有していましたが、主要器官は2人別々だったようです。
出産時に分離手術が検討されましたが、少なくともどちらかが死亡すると考えられたため手術はされませんでした。

母親の雇い主は商業的な可能性を感じ、母親から2人を買い取ります。
2人は雇い主家族に虐待を受け、厳しく管理されたそうです。
ほとんど奴隷のような状態でヨーロッパやアメリカを興行で回り、のちに2人のエージェントとなるウィリアム・オリバーに出会います。
オリバーの言葉から自分たちの置かれている状況がおかしいことに気づき、雇い主との訴訟ののちに自由の身となります。
その後本人役で映画に出演したりしましたが、マネージャーが2人を捨て去り、食品雑貨店で働くようになりました。
1969年、香港かぜで死去。

 

1950年に旧ソ連で生まれました。
腰から下が結合し、足が3本ありました。

母親には死産と伝えられ、ソ連医学アカデミー小児研究所で管理されることになります。
この時の旧ソ連はスターリン時代。
ここで2人は過酷な人体実験を受けます。
政権が変わると人体実験は終わり、アメリカの研究者が2人に教育を与え、職に就けるようにするために引き取ろうとしますが、ソ連は拒否。
そして、必要以上に注目されないようにと足を1本切断。
精神的なショックで半年ほど人前に出れなくなりますが、その後松葉杖で歩けるようになります。
12歳で四肢障害のある子供たちのためのノヴォチェルカスキー孤児院に移されますが、そこで子供たちからいじめられ、自殺を考えたり、アルコールに依存したりするようになります。
2003年、アルコール依存症でマーシャが死去、17時間後にダーシャも死去。

 

1981年ベトナムで生まれました。
下半身が結合していて、ベトナム戦争での枯葉剤散布が原因と言われています。

1986年にベトちゃんが急性脳症となり、大量の投薬の結果、ドクちゃんの体調にも悪影響が出ました。
医療体制が整っている日本に移り、ドクちゃんは回復、ベトちゃんも意識レベルは低いものの危機は脱します。
ベトナム帰国後もベトちゃんはあまり回復せず、1988年に分離手術を受けます。
この際、腎臓と足は2人で分け合い、性器や肛門はドクちゃんがもらうことになりました。
手術後、ドクちゃんは学校に通い始めますが、投薬の影響か授業になかなかついていくことができなかったそうです。
中学校を離れ、コンピューターの職業訓練校に移ります。
ベトちゃんは手術後も植物状態が続いていましたが、2007年に死去。
ドクちゃんは2006年に結婚し、2019年に飲食店を開業。
2020年、日本に不織布マスク1万7500枚を寄付しました。

 

2001年に誕生。
妊娠12週目で結合双生児であることが分かりますが、両親は出産を決意。
腹部の一部が結合していて、肝臓のみ共有していたそうです。
胆管(肝臓から十二指腸まで胆汁を通す管。ないと成長に大きな問題が出る)も2人別々だったことから、体重が7kgを越えた生後2か月に分離手術が行われました。
当初5時間を予定していた手術ですが、4時間で終了したそうです。
現在も元気に生活されているそうです。

 

分離手術の難しさ
手術の難しさは2通りあるようです。

1つめ:医学的な難しさ

結合している2人を分離するのだから、今の医学でも難易度の高い大手術になることは想像できます。

日本では、2002年12月までに34組の手術が報告されていますが、手術後の経過はこのようになっているそうです。

2人とも退院:20組
1人死亡、1人退院:8組
2人とも死亡:6組

 
現在、生きていく上で欠かせない器官(心臓や脳など)が2人それぞれにあれば、手術で分離できる可能性は高くなったとのことです。

また、心臓などが結合している場合でも、今は手術できる可能性もあるそうです。

実際、2019年にロンドンで、頭部がつながった状態の2歳のサファちゃんとマルワちゃんの分離手術が行われました。

手術は4ヶ月かけて3回(4回というサイトもあり)、計50時間以上だったそうです。

2つめ:倫理面での難しさ

たとえば、生きていくために必要な臓器が別々にあり、分離後2人とも生きられる可能性が高い場合は、医学的な難しさを考えなければ手術を決断できます。

が、もしも大切な臓器が1つしかなかったら?

1人を助けるために、もう1人を犠牲にしなければいけません。

 

サファちゃんとマルワちゃんの場合も、マルワちゃんにしか脳に栄養を送る血管を残すことができませんでした。

結果、サファちゃんは脳梗塞を発症し、もう歩けないかもしれないと言われたそうです(2020年時点)。

 

また、手術したら片方が生きていける可能性が低い場合もあります

たとえばベトちゃんとドクちゃんは、日本ではなく、ベトナムに帰国して分離手術を受けました。

実はベトナム側は、医療技術の高い日本での分離手術を希望していたそうですが

寝たきりのベトちゃんを犠牲にして、ドクちゃんを優先させるべきか?
2人とも生きられる可能性を探るべきか?
親権者の許可は…。

などの問題があり、日本での手術ができなかったそうです。

 

また、イギリスでは2000年に、下腹部がつながった状態で生まれたジョディちゃんとメアリちゃんの分離手術を巡って裁判になっています。

 

メアリちゃんには自分の肺や心臓がなく、生命維持をジョディちゃんに頼っている状態でした。

臓器への負担が大きいため、このままだと3~6カ月以内に2人とも死亡してしまう可能性が高く、医師団は分離手術を勧めました

が、両親が分離手術に反対

そのため、医師団は裁判所に判断をゆだねたのです。

 

なぜ、両親は反対したと思いますか?

それは、手術をすれば、ジョディちゃんは通常の生活を送れるようになる可能性が高かったのですが、メリーちゃんを助けることができなかったからです。

1人を生かすためにもう1人を犠牲にはできない。

両方は助けられないが、助かる可能性が高い1人を助ける。



どちらが正しいとか、どちらが間違っているとかそういう問題ではなく、見方によって変わること。

両親にとっては2人とも大切な子供です。

手術しなければ、2人とも半年くらいしか生きられないかもしれない。

でも手術をしたら…。

 

裁判の結果手術の正当性が認められ、2人の分離手術が行われました。

 

また、本人たちが手術を希望しないこともあります

たとえば、アメリカのアビーさんとブリタニーさんの場合は、重要な器官の多くが1つしかないため手術不可能なのですが、本人たちも

「手術なんてしたくない」

と口をそろえて言ったそうです。

1851年に同じくアメリカで生まれたミリーさんとクリスチーナさんも

「2人は、ずっと一緒に生きてきた。産まれてきたときと同じように一緒にこの世を去りたいと望んだ」

という記録も残っているそうです。


『私たちの仲間-結合双生児と多様な身体の未来-』(アリス・ドムラット ドレガー (著))によれば、

・多くの結合双生児は「分離されたくない」という考えを持っている。
・成人になるまで生存した結合双生児の多くは、実際に分離手術を拒否している(今まで何百と行われてきた分離手術において、本人達がその手術に同意した例は殆どない)
・結合している1人の双生児が死んだ後でも、残ったもう1人も例外なく分離されずにそのままであることを望む。


医学的な難しさ、倫理学的な難しさ両方を考えると、

「命の大切さ」

みたいなことでひとくくりにはできないな…と思いますね。


手術するかしないか、どちらかが正しいなんて言えるはずなくて。

なにもしなかったらどちらも生きていくことができないかもしれない。

だけど、どちらかのためにもう1人を犠牲にするのは、もしかしたら生きることになった1人に重荷を背負わせることになるかもしれない。

医師団からしたら、救える命があるなら救いたいと思うのが当然なんだろうし。

それでも1人を犠牲にする手術を実際に行う時は、とても苦しいだろうし。


それぞれの場合で、できるだけ本人たちに寄り添って考えるしかない、という言い方しかできないのがなんとも言えません。 

 

同じように、iPS細胞も倫理的な難しさがありますよね。

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クローン技術とかもですが、どこまで医学で許されるのか???

明確な線引きってできるのでしょうか。
 

なぜ正確な統計データがない?

冒頭にも書いた通り、出生数や出生率の正確で確実な統計はありません

これだけの情報社会で、一体なぜ?


以下は、あくまでSolaの推論であり、いわゆるエビデンスというやつは一切ありませんのであしからず。


実はベトちゃんとドクちゃんについて調べるうちに、こんなことが分かりました。

2人が生まれた時、親戚の1人がこう言ったそうです。

「化け物が生まれた。川岸に連れて行って燃やしてしまえ」


また、旧ソ連のマーシャさんダーシャさん姉妹の場合は、出産後に母親が2人を見ることもなく、医師から死産だったと告げられたそうです。


日本でも旧優生保護法国民優生法がありました。

簡単に説明するとこういう内容です。

1948年(昭和23年)から1996年(平成8年)まで存在した法律。
「優生上の見地から、不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命・健康を保護することを目的」として、強制不妊手術(優生手術)、人工妊娠中絶、受胎調節、優生結婚相談などを定めたもの
(昭和15年)から1948年(昭和23年)まで存在した法律。
「悪質ナル遺伝性疾患ノ素質ヲ有スル者」の増加を防ぐことを目的として、強制不妊手術(優生手術)、人工妊娠中絶の大幅な制限などを定めたもの


これが正しかった、当たり前だった時代があったんです。

旧優生保護法なんて、約30年前まで法律として存在していたんです。

こういう考え方だったら、生まれたことさえ隠されていた可能性も高いのでは?

だからデータがないのでは?

…と考えてしまいます。
 

【ザ!世界仰天ニュース】で取り上げられた、先天性の骨の病気による身長差世界一の双子の姉妹についてはこちらの記事をどうぞ。

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前向きに生きている強さがまぶしいです。

 

結合双生児の原因は?➁

これも、Solaの推論で、科学的根拠は一切ありません。


同じく冒頭の「人種によって生まれる割合は違い、白色人種より黒色人種が多く、黄色人種は少ないとの説も。」

そして、正確な統計データがない以上、どのくらいの信ぴょう性があるかは分かりませんが、結合双生児の出生率は中東やアフリカ、東南アジアや中国で高いと言われています。


人種による遺伝学的エラーの起こりやすさ…の可能性はゼロではないと思いますが。


日本では、結合双生児についてほとんど聞きません。

2023年の人口は1億2330万人で世界第12位。

2022年の出生数は77万人強。

出生率が下がってきているので、過去はもっと多いですよね。

それでほとんど聞かないというのは、人種による遺伝学的エラー発生率が違うとしてもちょっと特殊すぎる気がします。

そこで、日本の特徴を考えると、近代的な戦争がない・衛生的な生活環境が整っているということがあります。


原因の1つとされる枯葉剤放射線

生物兵器や化学兵器が使われるようになってからは、日本では戦争が起きていません。

一方、東南アジアでは、先のベトナム戦争で枯葉剤が撒かれています。

ベトナムはもちろん、近隣諸国も枯葉剤の影響は間違いなく大きいでしょう。


また、数十年前と比べて日本では大気汚染なども減りました。

これは化学物質の減少を意味しています。

種類によりますが、遺伝毒性と言って、化学物質が遺伝子に悪影響を与えるのは事実だそうです。

結合双生児の出生率が高いと言われる国々の中には、大気汚染が問題になっている国もありますよね。


そして、遺伝で考えると、近親婚を繰り返すことで遺伝的に弱い子、障害のある子が生まれる確率が高まります。

交通機関などの影響で広い地域での人の交流が少ない国だと、やはり比較的近い遺伝子を持つ相手と結婚する可能性が高いのではないかと思います。


もちろん、人種による違いもあるかもしれません。

でも、人為的原因によって生まれる結合双生児も多いのではないかと思うのです。

あくまで私見ですが(^^;


まとめ

調べるまで、ここまで真剣に考えたことはありませんでした。

というよりも、意識に上げることさえなかったという方が正しいです。


最初、バラエティで取り上げる内容なの?!と思ったのですが、知るきっかけがなければ知らないままで終わっていたと思います。

番組を見る前なので、どういう取り上げ方かは分かりませんが、考えるいいきっかけになったと思います。