長坂真護の経歴や評判は?なぜゴミアートでスラムを救うのか【世界くらべてみたら】


【世界くらべてみたら】に長坂真護さんが出演されます。

長坂真護さんといえば、ガーナの電子廃棄物でアートを作り、その売り上げでガスマスクを届けたり、無料の学校建設などの支援活動をされています。

そんな長坂さんの波乱万丈な経歴や評判、そこまで長坂さんを突き動かすものが何かなどを調べてみました。


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長坂真護さんのプロフィール

名前: 長坂 真護(ながさか まご)
出身地: 福井県福井市
生年月日: 1984年8月10日
職業: MAGO CREATION 代表取締役
大学: 文化服装学院 アパレルデザイン科
Wikipedia


とても波乱万丈な人生を送ってこられた方です。

文化服装学院卒業後、海外留学費用を稼ぐために新宿歌舞伎町のホストクラブで働きはじめました。

50万円の借金を背負ってしまいますが、ナンバーワンホストとなり3000万円の貯金ができたため退職。

留学費用以上が手元にできたので留学はやめ、アパレル会社を設立しますが、スタッフに騙されて1000万円の負債を抱えてしまいます。

2009年に倒産したあとは、借金を抱えながら路上アーティストとして活動していたそうです。

Sola
ホスト時代の借金は、「自分を指名したお客が踏み倒した支払いはホストが肩代わりする」というホストクラブのルールが理由だったそうです。
今問題になっている「売掛」でしょうか。

アパレル会社の負債もスタッフが原因。
長坂さんは、人が原因で人生のどん底を2回も経験されたんですね…。


ナンバーワンホスト時代のプライドもあり、普通に就職する気になれない。

アーティストとして仕事を成功させるたびに、こうなりたいという理想は膨らんでいくものの、現実はなかなか理想通りにいかない。

そして諦めてしまったり、挑戦に飽きてしまったりで、長坂さん曰く当時

「自分の中の“暴れ馬”を乗りこなせなかった」

だそうです。


長坂真護さんを突き動かすもの

30歳になった時、歌手・デザイナー・アーティストになるという夢がかないました。

でも、いざ夢をかなえても心が震えないし喜べない。

残ったのはむなしさだったそうです。


そんな時、雑誌に載っていたゴミの山に囲まれたスラムに生きる子供たちの写真を見て、長坂さんの心に火が付きます。

なぜこんなことになっているのか調べるうち、ガーナのゴミの投棄で深刻な問題を抱えたスラム(アグボグブロシー)を知り、現地を訪れました。

そこで見たのは、世界中から集まった一面のゴミ。

住民の多くが電子廃棄物を燃やして金属を取り出し、1日500円の賃金を得ているのですが、発生する有毒ガスのせいで肺がんなど深刻な健康被害にさらされていたのです。

また、貧困は犯罪の原因にもなるので、アボグブロシーは犯罪者の巣窟でもありました。

写真 Wikipedia


もともと、人間に格差があることが気になっていたという長坂さん。
先進国が自分たちのゴミの後始末と害を他国に押し付けているという事実に衝撃を受け、アートを使ってアグボグブロシーの現状を先進国に伝えることを決意したそうです。

また、アートだけではなく、現地に無料の学校・美術館を造り、ガスマスクも届けたりもされています。

評判は?

お金の亡者って本当?

長坂さんについて調べていると、何回か「お金の亡者」という言葉を目にしました。

Sola

でも、経歴を見る限りその言葉はピンとこないんですよね。
ということで、もう少し調べてみました。
 
2030年までに100億円以上集める

これは、長坂さんが公言していることです。

たしかにこれだけ見れば「え、アーティストなのにお金にこだわるの?」と思うかもしれません。

Sola
イメージですけど、芸術家ってお金ではなく志!
自分の作品を高値で売るとか興味ないのが普通、みたいなイメージがありませんか?

ただ、100億円を集める目的は、ガーナに最先端のリサイクル工場を建設し、公害ゼロのサスティナブルタウンにすることなのです。

さらに、アグボグブロシーを含むガーナ人1万人の雇用を目指しています。

1万人という数字は、3万人住むと言われるアグボグブロシーで事実上全世帯から雇用を生み出せる数字だそうです。

廃棄物を用いて環境問題を訴えるアーティストは山ほどいる。
では、ほかと何が違うのか? 
ひとつは、アフリカ・ガーナのスラムに捨てられた先進国の電子ゴミを用いたアートをつくっていることにある。
が、彼はそれをしっかりと〝売る〟ことに尽力しているのだ。
年間につくり上げる作品数は600超というハイペース。
NFT(非代替性トークン)アートにもいち早く参入し、さらには自身の名を冠したギャラリーを国内外に11店舗(2022年8月現在)構えるなど、マネタイズを意識したアート活動をしているのだ。
というと、〝金の亡者〟と勘違いする人がいるかもしれない。
が、違う。彼が得る収入は売り上げの5%のみ。残りの多くはガーナのスラム撲滅の支援に投じている。
@DIME

アートと通して世界の問題を伝える問題提起

知らなかったことを知ることで、私たちの行動が変わるきっかけになる。

それもとても大切で、必要なことです。

でも、長坂さんがやろうとしていることは、さらに一歩進んだ問題解決

もちろん作品を通しての問題提起もありますが、長坂さん自ら、スラムの問題を解決するために行動されているのです。

支援にはお金が必要だから、収益が必要ということなんですね。

実際、「お金の亡者」と書いてある記事も、ちゃんと読むと

「お金の亡者と勘違いする人がいるかもしれないけれど、そうではなくて実際は…」

という内容でした。


アート作品に対する評価

長坂さんのアートは、数千万円とか数億円の値がつくものもあります。

当初、そんな金額がついたことに驚いた長坂さんでしたが、このように分析されています。

この絵が売れたのは自分の技術ではない、スラムで暮らす彼らが深い闇から放つ希望が、1500万円という価値を与えた。
(NAGASAKA MAGO ALL SELECTION より)

私たちが豊かに暮らしている裏で、見えないところに害を背負わせている。

その事実を知らせるだけではなく、私たちが押し付けたゴミからアートを創り、ごみを減らす。

そのアートによる収益で現地の環境を改善しつつ、最終的にはリサイクル工場を建設してゴミの山そのものをなくす。

先進国が出したゴミから価値を作り出し、先進国のお金に交換し、現地に還元する。

作品の持つテーマ・循環システムに対する評価、応援したいという声も増えています。

ベンチャー企業経営者の北村貴明さんもその1人。

絵を通じて人の動きを変える行動を変えるというのが、彼の絵の本質。
アートを使って課題解決をしているというのが彼の魅力。
NHK


また、ハリウッドで活躍しているカーン・コンウィザー監督も、世界を本当に変えようとする行動力を撮影するために、長坂さんの活動を追ったドキュメンタリーを制作したそうです。

この映画を通じて世界中に伝えたいのは1人のアーティストが1本の筆で成し遂げられることの大きさです。
彼だからできるのではない誰もができるということを気づかせてくれた。
NHK


Sola
ちょっと違いますが、ノーベル平和賞候補に挙がったマララ・ユスフザイさんのスピーチを思い出しました。

“One child, one teacher, one pen and one book can change the world.”
(1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられる)

平和、教育、平等、安全…
どんなに大きなテーマでも、目を背けずに自分ができることをやることで、世界を変えることができる。
それを教えられた気がします。


もちろん、中には批判的な目で見る人もいるかもしれません。

ニュースを見れば詐欺や汚職、犯罪事件…自分の利益のために人を傷つけたりだましたり、というものがあふれています。

そういうのばかりに触れていると、どうしても物事を斜に構えて見てしまいがち。

もちろんSolaにもそういう部分はあって、

ブラックSola
そんな「善い人」「正しいことをする人」がいるなんて信じられない!
なにか裏があるんじゃないの?

と疑いたくなったりもします(^^;

でも、長坂さんがされていることは、そんな裏表を使い分けてできることではないと思えるんです。

自分の利益のために周りを欺いているのだとしたら、いくらガスマスクがあっても、危険を冒して現地に行くとは思えません。

今の社会のゆがみをなくすための循環システムを考え、実現させるはずがないんです。

ブラックSolaの出る幕はありませんでした。

あるインタビューで長坂さんはこう言ったそうです。

僕が稀代の詐欺師かどうかは、10年後にわかりますよ

2030年か、もっと早くかは分かりませんが、リサイクル工場が完成したというお知らせを受け取るのが楽しみです。

同じく世界を変える活動をしている村木風海さんについてはこちら

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長坂真護さんが今後やりたいこと

長坂さん曰く、「あと10年でガーナの作品の時代も終わる(インタビュー時点で)」だそうです。

リサイクル工場が完成したら、現地のゴミの90%がリサイクルに回るため、アートを作れなくなるそうなのです。


そこで長坂さんの活動は終わるのではなく、

アグボグブロシーのような地域を作らないサスティナブルな「経済・環境・文化」を意味する【マゴ】という概念を広めること。
地域格差が生まれないシステムを作ること。
日本国内の今使われていない土地を「自然エネルギーだけで生活できる別荘地」として普及させること。
IDEAS FOR GOOD よりまとめ)


つまり、自分がプラスになることでマイナスを誰かに押し付けるのではなく、格差が当然の世の中ではなく、みんなに光が当たる世の中にしたい、ということではないでしょうか。

世の中のシステムがそうなれば、みんなが当たり前のように自分以外の人・物の価値に気づき、自分さえよければそれでいいという生活スタイルではなくなるのかもしれません。


実現したら夢のような世界ですが、夢と思っていたら実現するものも実現しないですよね(^^;

ものすごく真面目なことを言ってしまうと、今の暮らし方を続けていたら人間に未来はないというのは、直視しないだけでみんな気づいていることだと思います。

使い捨てること、新しいものをどんどん取り入れること、自分の豊かさを追い求めること…

そのツケを、見えない誰か・見えないどこか・未来の誰かに押し付けるのではなく、そもそもツケを生まないスタイルに変えない限り、どうにもならなくなっているんですよね。


長坂さんがスポットライトを当てたのは、たまたま「ゴミ」でした。

でも、ゴミ以外でもこういうことはたくさんあるはずなので、自分の行動がなにを作り出しているのか改めて考えてみたいと思いました。

Sola
長坂さんのような大きなことはできなくても、ちりも積もりばなんとやらってやつです。
脱「自分よければすべてよし」!

まとめ

【世界くらべてみたら】に出演される長坂真護さんについて、経歴や評判、長坂さんを突き動かすものなどについて調べてみました。