こんにちは。
大相撲が人気で、スー女と呼ばれる女性ファンも増えています。
なぜ女性が相撲、力士に惹かれるのか…あるサイトによると、理由はいくつかあるようですが
- かわいいから
- 守ってもらいたい本能から、体格のいい力士に惹かれる
ということがあるようです。
たしかに、力士は体が大きくて強さ・包容力・頼りがいを感じるし、ぽっちゃりした体型をかわいいと感じやすいんですよね。
これは「ベビーシェマ」という動物の本能だそうです。
ベビーシェマについてはこちらで詳しく説明しています。
こんにちは。 【タモリステーション】に出演される航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さん。 SNSで「かわいい」と評判のようですが、なぜ「かわいい」なのでしょうか? また、自宅や結婚相手、実家の家族について[…]
ただ一方で、力士の大型化も問題視されているようです。
ということで、今回は力士の大型化が体調や怪我にどんな影響を与えるのか、そもそも力士は肥満なのかを調べてみました。
このページはプロモーションを含みます。
力士はどのくらい大型化した?
大相撲の力士が大型化したと言われていますが、実際はどのくらいなのでしょうか?
幕内力士の平均値がこちらです(データ: Number Web)。
身長 | 体重 | BMI | |
2018年1月場所 | 184.2cm | 164.0kg | 48.4 |
1968年1月場所 | 180.9cm | 130.6kg | 39.9 |
1918年1月場所 | 174.6cm | 102.9kg | 33.8 |
これを見ると、たしかに力士は大型化しているし、身長よりも圧倒的に体重が増加していることが分かりますね。
力士は肥満なの?
ただし、BMIはあくまでも体重と身長の関係だけを表す数値です。
肥満とは体脂肪が過剰に蓄積した状態のことなので、筋肉量が多くて体重が重い場合は肥満とは言いませんよね。
適正体重 = 身長(m)×身長(m) ×22
日本肥満学会の判定基準では、普通体重はBMI18.5~25未満
筋肉ムキムキ体型だったら、同じ体積でも脂肪より筋肉の方が20%程度重いので、BMI値が高くても肥満ではないはず。
こういう感じ(イラストAC)
たとえばラグビーだと、ポジションによって違いはありますが、トップリーグの選手は体脂肪率が20%を超えないよう管理しているそうです。
ということで、力士の体脂肪率を調べてみました。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センターによると、2013年12月に測定した結果、幕内力士25名の平均値はこちらです。
- 身長: 186.3cm
- 体重: 161.2kg
- 体脂肪率: 35.5%
- 体脂肪量: 52.9kg
- 除脂肪体重: 108.3kg
一般的に、男性の標準体脂肪率は10.0%~19.9%で、厚生労働省によると25%以上になると体脂肪量過剰だそうです。
とはいえ、あの体型からするともっと数値が高いかと思っていたので、ちょっと意外でした。
体調や病気の心配は?
やっぱり大相撲の力士は肥満体型なんだわ!
大変!
となりそうですが、同じ脂肪でも皮下脂肪と内臓脂肪があります。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こすリスクが高いのは内臓脂肪。
力士はどうかというと
相撲力士と一般肥満男性の体脂肪分布を調べた研究では、BMI(体格指数)による肥満度は同程度でも、力士では内臓脂肪の蓄積がほとんどみられず、また、総コレステロール、中性脂肪、血糖などの代謝指標でもほとんど異常がみられなかったといいます。
ハマスポ
ただ、こんな意見もありました。
昭和39年から30年以上相撲診療所の医師として力士の健康管理をされていた林盈六先生の著作によれば、力士の疾患として多いのは高血圧、糖尿病、痛風などのいわゆる生活習慣病で、一般男性に比べ明らかに多い。これは力士の基礎的な体づくりとして大量のエネルギー摂取を強制するためで、勿論そのあとに激しい稽古が待っているのだが、運動による消費エネルギーは意外と少なく、必然的に相当量の脂肪が蓄積することになる。
MODERN MEDIA
今回の調査では現役力士はすべて40才台以下であって,しかも20才台のものが大部分を占めていたのに対して,年寄は40~50才台が多かったが,年寄に糖尿病が圧倒的に多かった。これは一般に認められているように,力士の社会でも年令の増加とともに糖尿病が多くなっていくということを示す事実であろう。それにしても年寄になると60%以上に糖尿病がみられるということは,確かに一般社会では考えられないほど高率である。
(中略)
それにしても私たちの調査した現役力士の血糖値140mg/dl以上13.2%,尿糖陽性者30.8%という数字は,一般の報告1)2)よりはかなりの高頻度である。とすると,すでに現役時代糖尿病が潜在していたり,あるいは糖尿病の前駆状態にあったり,あるいはごく軽い糖尿病というものが多いのではなかろうかとも考えられる。
(力士の糖尿病発現頻度に関する調査依頼)
専門家ではないし、調査したわけでもないのでなんとも言えませんが…。
アスリートは体が資本、健康第一なのは間違いありません。
力士に対する食事などの生活面の管理は各師匠の指導にまかせるのが角界のしきたりで、両国国技館内の相撲診療所では「糖分の多いジュースや菓子などによる間食を控える」などの注意喚起にとどまっているそうです。
今後調査が進んで、より体調管理が進むといいですね。
ケガへの影響
体が大きくなると、病気とは別に、ケガの心配もありますよね。
nippon.comによると、力士の体が大きくなった要因は、外国人力士の存在だそうです。
小錦関や曙関、武蔵丸関のような大型力士、日本人と体型ながら足腰の強いモンゴル勢の旭天鵬関や朝青龍関に白鵬関、レスリング経験者が多い東ヨーロッパ出身の琴欧州関や把瑠都関。
日本人力士は、体を大きくすることで対抗しようとしたそうです。
が、増えたのが脂肪でも筋肉でも、体重が増えれば足腰への負担が増えます。
力士は一緒に倒れこむことも多いですが、体が大きくなれば、関節や靱帯が損傷する可能性も高まります。
これは心配です。
レスリングや柔道と違って、大相撲は体重無差別級のみです。
重たい方が有利ではあります。
稽古で体の柔軟性を高めたりすれば、防げるケガもあるようです。
ただ、解説者の北の富士元横綱も
と繰り返しているそうです。
ケガは力士生命を左右しかねないので、心配です。
体が大きくなることで、相撲が変わった?
nippon.comによると、力士の体が大きくなることで、健康面だけではなく、相撲内容が変わったそうです。
決まり手 | 1978年 | 2019年 | 2020年 |
押し出し | 199回 | 336回 | ー |
寄り切り | 528回 | 350回 | ー |
上手投げ | 134回 | ー | 62回 |
つり出し | 73回 | ー | 3回 |
また、短時間で勝負がつくようになり、攻防ある取り組みが減ったとのこと。
これはちょっと残念ですね。
特定の力士のファンとか根っからの相撲好きでなければ、手に汗握る攻防が見られず同じような内容の取り組みばかりになってしまったら、相撲中継を見たいと思わなくなってしまいそうです。
体が大きくなってしまうと、なかなか難しいかもしれませんが…。
まとめ
今回は、大相撲力士の体が大きくなったことで、力士の健康面やケガ、相撲内容が変わったことについて調べてみました。
- 力士は見ためより体脂肪率が低い
- 総コレステロール、中性脂肪、血糖などの代謝指標でもほとんど異常がみられないという調査結果と、一般男性に比べ明らかに高血圧、糖尿病、痛風などの生活習慣病が多いという調査結果があるらしい
- 体が大きくなったことで、ケガのリスクは高まる
- 体が大きくなったことで、決まり手がが変わったり、勝負が短時間でついたりするようになった
これからも大相撲で多くの人を楽しませてほしいなと思います。