【バリバラ】の「SHOW−1グランプリ」に、アイヌ民族の男性お笑いコンビ「ペナンぺパナンぺ(ペナパナ)」が登場します。
アイヌ民族の物語や儀礼作法などをネタに漫才をし、アイヌ文化を発信していらっしゃいます。
今回、ペナンぺパナンぺのお2人について、wikiっぽく経歴や本名、今後の目標などをまとめてみました。
※2023年8月にペナンぺパナンぺは解散しました。
現在は「ペナンぺ竜也」として、お1人で活動されています。
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— 北海道新聞 報道センター@札幌 (@doushinhoudouc) December 20, 2019
ペナンぺパナンぺとは
結成したのは2015年。
ネタは2人とも作っているそうです。
ペナンぺパナンぺのネタはすべてアイヌに関するもの。
アイヌ民族のウエペケレ(昔話)や風習、文化と時事問題を絡めてネタを作っているそうです。
現在、ネタは50本以上。
ただ、1つ悩みがあって、2人ともボケたいということ!
2人ともツッコミが苦手だそうですが、ちゃんとツッコミできるように、小さなハリセンを使ったりしています。
2人ともネタを作っているので、そのネタを作った方がボケているそうです。
ペナンぺさんのプロフィール
札幌学院大学卒業後、2000年に北海道ウタリ協会(現北海道アイヌ協会)に就職し、事務職をしているそうです。
現在は札幌在住で、お子さんは男の子と女の子が1人ずついるそうです。
パナンぺさんのプロフィール
平取高卒業後、町のアイヌ文化環境保全対策調査室の臨時職員などを経て、2011年にアイヌ文化振興・研究推進機構(現アイヌ民族文化財団)に就職。
その後、2021年からは胆振管内白老町の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」に勤務されています。
アイヌ文化発信業務に従事し、来園者に対しアイヌの文化・歴史講演や、紙芝居・語り・踊りを披露されているそうです。
アイヌの伝統舞踊(写真 ゆんフリー写真素材集)
また、ニンチュプ(nin cup)というバンドにも所属されていて、歌・踊り・打楽器・鳴り物などを担当されています。
こちらのバンドは、アイヌの伝統歌、舞踊、アイヌ民族に伝わる叙事詩ユカラ、アイヌ語のオリジナル曲などを発表しています。
ニンチュプとは、新月の前の細くなった月のことを意味するアイヌ語です。
どうしてこの名前に決めたのか、知りたい!
竜也さんと同じく、お子さんは男の子と女の子が1人ずついるそうです。
ちなみに、苗字は同じですが兄弟とか親戚ではないとのことです。
※ 将史さんがニンチュプ(nin cup)というバンドに専念されるため、ペナンぺパナンぺは2023年8月に解散しました。
竜也さん、将史さんそれぞれの活躍が楽しみですね!
コンビ名の由来は?
ペナンペ と パナンペ はアイヌ民話でよく登場する人物の名前で、ペナンペは川上の方の者、パナンペは川下の方の者という意味だそうです。
竜也さんは平取町を流れる沙流川の上流の振内地区出身なので「ペナンぺ」、将史さんは川下の二風谷地区出身なので「パナンぺ」とのこと。
ペナ(pe-na)= 川上
パナ(pana)=川下
ウン(un)= 所,〜に,〜の,〜ヘ,〜まで
ペ(pe)=見たり触れたりして確かめることのできる物、者
ということで、
ペナンペ (pena-un-pe) 川上・の・者
パナンペ (pana-un-pe) 川下・の・者
になるようです。
ペナンぺパナンぺ結成のきっかけ
約20年前に竜也さんが仕事で関わったアイヌ文化のイベントで、アイヌ語弁論大会で最優秀賞をとった将史さんに口承文芸のステージ出演を依頼したのが初めての出会いだそうです。
そのあとも「アイヌ民族文化財団」「民族共生象徴空間(ウポポイ)」に就職されていることから、もともとアイヌ文化に詳しかったのかもしれませんね。
正式にコンビを組んだのは、2015年に札幌でのアイヌ音楽イベントで2人で司会をした時。
会場を盛り上げるため、音楽の合間に2人でちょっとしたコントをやったのが始まりだそうです。
ただ、この時はコント初体験だったこともあり、あまりウケなかったらしく。
その後、北海道の他の芸人さんのライブを見て勉強したり、大通公園の観光客の前でネタを披露したりして試行錯誤したそうです。
アイヌ文化とお笑いという今までにない組合わせに興味を持ってもらいやすいし、誰でも楽しく気軽にアイヌ文化に親しめますね!
アイヌの住居(写真 ゆんフリー写真素材集)
ネタ作りなどで気を付けていること
竜也さん
「見た目や、人と変わっている部分を引き合いに出して笑いを作るやり方もあるのですが、僕らは極力そういうことはしたくありません。
お客さんが僕らを見て、アイヌってばかだなとか下品だなという風に思われたら本末転倒。
『ネタをやることでアイヌの仲間が傷つかないか』ということは常に意識しています」将史さん
「お互い子どもがいるので、子どもたちが『アイヌだから』ってばかにされてしまうようなネタは、絶対に作らないと決めています。
もちろんネタではアイヌ文化を面白おかしく言いますが、『自分たちの文化は素晴らしいし、格好いいからばかにするなよ』って気持ちでやっています」
(北海道新聞)
アイヌ文化とアイヌ民族に対する誇りや愛を感じますね!
少し違うけれど、「翔んで埼玉」みたいな感じ?
愛があるからできる、一線を越えないイジリといったところでしょうか。
アイヌの民族衣装(写真 ゆんフリー写真素材集)
差別には、意識的なものと無意識なものの2種類があると思います。
無意識の差別とは、アイヌではない日本人(和人)が、アイヌについて無知だからとってしまう言動で相手を傷つけてしまう類の差別です。
たとえば、ペナンぺパナンぺのネタの1つ「アイヌのお土産屋さん」では、和人がアイヌの店主に
「日本語上手ですね」
と話しかけます。
今でも実際にそう言われることがあるそうですが、アイヌ民族は今でも昔と同じ生活をして、アイヌ語を話している(=日本語を話せない)と思っている和人がいるということ。
言う方は純粋な驚き。
でも、言われた方は差別とまでは思わないとしても、同じ日本人と思われていないとか、違和感を感じると思います。
アイヌの文化だけではなく、そういう認識のずれや、私たちがいかに知ろうとしていないかを笑いを交えて教えてくれる。
ペナンぺパナンぺのネタを多くの人に見てほしいと思います。
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実はノーギャラ!!
ペナンぺパナンぺとしての活動は、あくまでも趣味。
「職場の迷惑にならないように」を大前提に活動されているそうです。
ということで、副業なので謝礼は受け取っていないとのことです。
将史さんの勤務先「民族共生象徴空間(ウポポイ)」は、運営主体が公益財団法人。
やっぱり副業しにくいのでしょうか?
今後の目標
いろいろあるようです。
お2人の故郷である平取町で単独ライブを開くこと
M-1グランプリで上位進出すること(2021年2回戦進出)
海外にペナンぺパナンぺの存在を発信すること
これ、一見ペナンぺパナンぺが芸人として成功したい!という風に見えるんですが、その奥には
M-1上位進出=日本国内で注目される
つまり、ネタを見てもらうことで、より多くの人にアイヌ民族・アイヌ文化について知ってもらいたい・興味や関心を持ってもらいたいということではないかと思います。
アイヌについて何を知っているか聞かれたら、ほとんどの人が知らないと思うんです。
歴史の授業でアイヌについて勉強した記憶って、ほぼゼロですよね。
つまり、同じ日本なのに、同じ日本人の歴史なのに、知らない。
知らなければ、当然興味も関心も持てない。
興味も関心もなければ、今アイヌ民族と文化がどうなっているかもどうでもよくなってしまいます。
今、純粋なアイヌ民族はほとんどいない上、アイヌ民族の血をひく人でも「自分がアイヌ民族であること」を意識している割合は低くなっていて、特に若い世代ではアイヌ民族として積極的に生きていきたい割合は低くなっているそうなのです。
アイヌという民族や文化、伝統を残していくには、私たちが知ることが第一歩なわけです。
現代の生活は、どうしても自然を壊してしまいます。
でも、アイヌの人たちは「風の谷のナウシカ」の森の人のような自然と共に生きる生き方のように思えました。
アイヌの狩猟(写真 ゆんフリー写真素材集)
同じように
海外への発信=海外にもアイヌについて知ってもらう
2010年に、アメリカンインディアンと文化交流する国際イベント(トライバルジャーニー)にアイヌ民族として参加したそうです。
その際、アイヌに対する興味を感じたとのこと。
海外でも多くの人にアイヌの魅力をアピールしたいそうです。
(考古学好きだったので(^^;)
その縁でアメリカンインディアンについて自由研究で調べたので、多分普通以上に少数民族やアメリカンインディアンに親近感があるんです。
世界中の少数民族が交流して、それぞれが認知や地位向上のためにどんな取り組みをしているかなどの情報交換が進むといいなぁ…と思います。
まとめ
【バリバラ】の「SHOW−1グランプリ」に出演する、アイヌ民族の男性お笑いコンビ「ペナンぺパナンぺ(ペナパナ)」。
アイヌの物語や儀礼作法などをネタに漫才をし、アイヌ文化を発信していらっしゃいます。
活動の根本は、アイヌ民族・アイヌ文化への誇りや愛と、多くの人にアイヌについて知ってほしいという想いのようです。
M-1上位進出も目標の1つにしている竜也さんですが、実際にM-1の舞台で見れる日を楽しみにしたいし、アイヌの文化を私たちに紹介し続けていただきたいと思います。
また、将史さんのバンド活動も楽しみですね!
こういう文化は、形を変えても残り続けてほしいと思います。
お二人の活動を応援しています!!
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